今回はアカモクについて書かれた研究論文をご紹介致します。
今回ご紹介するのは、広島工業大学が2010年に発表した研究論文「海藻アカモクの特徴と食品利用」についてです。
目次 Contents
研究内容の紹介
広島工業大学の論文「海藻アカモクの特徴と食品利用」
引用:http://www.it-hiroshima.ac.jp/institution/library/pdf/research45_263.pdf
こちらの論文内ではアカモクの
- 生態
- 食品成分
- 生育と加工品の品質
- 機能性
- 資源の維持
について研究結果や内容が紹介されています。
その中でも特に気になったのが
- 食品成分
- 機能性
についてです。
食品成分について書かれていること
こちらでは
アカモクは食物繊維やミネラルなどが、他の食用海藻と同様もしくは、それ以上の供給源となる可能性が示された
引用図を見てもらえばわかりますが、ワカメ・メカブなどに比べてもミネラルや食物繊維が多く含まれていることがわかります。
機能性について書かれていること
アカモクに関しては,フコイダン様物質の抗腫瘍活性が中沢らによって検討されている。アカモクから抽出したフコイダン様物質(フコースとガラクトースを主成分として,キシロースとウロン酸を少量含んでいる;硫酸基 20 ~30%;タンパク質の混在が5%未満)をサルコーマ 180 腫瘍に移植したマウスに腹腔内投与することにより,約60%の増殖抑制率がみられた。このアカモクのフコイダン様物質は Ehrlich 腹水癌に対しても 0.125 ~ 0.5 mg/ 匹 /日×6の腹腔内投与により,80 ~ 100%の延命効果が認められている
サルコーマとは
全身の骨や軟部組織(脂肪、筋肉、神経など)から発生する悪性腫瘍の総称です。
この内容で嬉しいのが、アカモクから抽出したフコイダンの研究結果であることです。
フコイダンに関する研究結果は多くありますが、それらの大半がアカモク以外から抽出したフコイダンの研究です。
ただしこれらの研究も、アカモク抽出物によるマウス投与のものであるため、直接食用として摂取した場合の結果ではないとのことです。
こちらもアカモクの食品としての機能性が証明されてくれればいいですね。