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天気に恵まれず
2月に入りました。本来であれば1月末に試験操業をする予定でしたが、天候不順により、シケ(悪天候により海が荒れること)が続き、実施出来ずにいましたが、このたび何とか実施することができました。
アカモクの状態は?
試験操業で何をするかと言いますと、
- アカモクの成長度合いの確認。
- 漁師さんとの収穫方法の確認。
- 収穫したアカモクのテスト加工の実施。
大きくわけると以上になります。
1.アカモクの成長度合いの確認
アカモクの収穫はおおよそ決まっており、ここ長門においては2月~4月にかけてと考えられています。しかしながら地方によって収穫期は異なり、その年によっても変化するようです。
収穫に適している・適してないの判断は、アカモクに含まれるフコイダンの量によります。フコイダンの量が最大化する時が収穫期となるのです。
この収穫期について、今回の試験操業で初めて分かったのですが、例えば島の周りにあるアカモクを収穫するとして、南側のアカモクはよくフコイダンを含んでいたからといって、東側も含んでいるかといったらそうでもないということが分かりました。同じエリアにおいても海の中の状況で成熟度合いに差が出るようです。これに関しては試験を繰り返しデータを蓄積していくことが必要と考えています。
今回の試験操業ではフコイダンの量についてはまだまだといった感じでした。また、エリアによって成長度合いが本当に違うことも分かりました。
2.漁師さんとの収穫方法の確認
長門市においてはこのアカモクに関しては全く見向きもされない海藻でした。むしろ漁の最中に船のスクリューに絡まったり、刺し網や養殖施設に絡みつく為、邪魔者とされてきました。
なので、今までは完全に放置されてきた海藻なんです。当然本格的に収穫したこともありません。どのくらいをどの状態でとったらよいかというのも正直分かっていません。
試験操業では漁師さんの経験と、我々が他県の事例を参考にしたデータ等をもとに、収穫手法について考えています。
3.収穫したアカモクのテスト加工の実施。
アカモクの最大の売りは、味に癖がなく、シャキシャキとした触感と豊富に含まれる栄養素です。
その売りを損なうことなく加工すればどうすればよいか?
その一方で、漁師さんたちには邪魔者でも、海の生物にとっては良質な漁場を保ってくれる藻でもあります。魚や甲殻類、微生物のすみかとしての役割をなしてます。その為、収穫直後のアカモクには沢山の生物、特にエビなどの生物が多く付着しています。このエビは七大アレルギー(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)の一つであり、すべての方にアカモクを安心して食して頂くために丁寧に取り除くことが求められます。
どうすれば効率良く取り除くことができるかを考えていかなければなりません。
それ以外でも、アカモクを刻む大きさは何ミリにするか?とか、茹でる時間は?保存の仕方は?など実際に加工しながら考えていかなければなりません。
漁師さん、加工業者さんと製品化の前になるべく多くの試験操業を実施し、最善な状態を構築したいと考えています!
今回お手伝い頂いた漁師さん
今回わかったこと
長門市近辺のアカモクの成熟にもう少し時間がかかるということ
しかしながら、沢山のアカモクが生息していることがわかったこと
何より、ご協力頂ける漁師さんと加工業者さんが居て下さるということ
特に協力者が居てくれるということ
まだ、製品化もできてませんが、本当に心強く感じました。
関係者の皆様、今後とも宜しくお願い致します!!